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くすぐり姫の陥落 その16(完)

「あらあら…よいしょっと」

放っておけば椅子から落ちてしまう。
胡桃は柚子の頭を支え、そっと自分の膝へと下ろした。

「ちょっとやり過ぎちゃったかしら?」
「ぶっちゃけ、ちょっとじゃないよね」

柚子を膝枕すると、胡桃は優しく彼女の頭を撫でる。
くすぐりをやめて素に戻ってみれば、どう考えてもやり過ぎだ。
意識こそ失っていないようだが、柚子は虚ろな目で小刻みに震えている。

「大丈夫ですかね?なんかプルプルしてますけど…」
「平気だって、あたしだってこの位はやられてるもん」

そうは言いつつも、若干心配そうな顔の琴音。
自分と違って柚子はこんなにくすぐられた経験が無い。
それどころか、くすぐりで笑わされること自体が初めてだ。
何も知らない者が今の柚子を見れば、屋外で水分も取らずにマラソンでもしてきたのかと思うかもしれない。

「えっと…姫ちゃん、大丈夫?」

問いかけてみるが、荒い息を吐くのみでほとんど反応が無い。
どうしたものかと思案していると、静かな教室にチャイムの音が鳴り響いた。

「…5時ですね。楓、うちらはもう帰らないと」
「え?あ、もうそんな時間かぁ」

残暑とはいえ、窓の外は暗くなり始めている。
終わってしまうとあっと言う間だった気がするが、実際にはかなりの時間が経っていたようだ。

「宮間。ほら、私達もそろそろ急がないと」
「そうね。琴音ちゃん、柚子ちゃんをお願い」
「えっ、あ、はい」

琴音と膝枕を交代すると、胡桃はぐっと伸びをする。

「うう~ん…ずっと座ってると、それはそれで疲れるわよね」
「そんなぼけーっとしてる暇無いって。先に行っちゃうよ」

慌しく帰り支度をする4人。
門限の厳しい鈴原姉妹はともかく、3年生の2人までそんなに急ぐ必要があるのだろうか。
一貫校なので受験勉強など必要無いのだし、部活のある日はもっと帰りが遅くなるだろうに…
琴音のそんな疑問を余所に、4人はさっさと教室の入り口へと向かう。

「ちょっ、なんかみんな急ぎ過ぎじゃない!?」
「別にー?」
「さようならー」
「また呼んで下さいねー!」
「戸締りも任せたわよ。それじゃ、また今度」

引き止めようにも、太股に乗せた柚子の頭が非常に邪魔だ。
追いすがる間も無く、ぱたんとドアが閉められた。

「なんなの……って。そういうことか」

ようやく気づいた。
4人は柚子が回復する前に逃げたのだ。
鈴原姉妹はともかく、胡桃と翠の急ぎ方は明らかに不自然だった。

「押し付けられちゃったかぁ…まぁ、別にいいけど。幼馴染だもんね」

いたわるように柚子の頭をよしよしと撫でてやると、表情が和らいだ気がした。
まだまだ元気には見えないが、少しは呼吸も落ち着いてきたように見える。

「……琴音ちゃん…」
「ん?」

ようやく意識がしっかりとしてきたのか、柚子の目はしっかりと琴音を見ていた。
恨み言の1つでも言われるのだろうか。
それともまさか、今すぐ逆襲してくる?
琴音は思わず身を強張らせるが、そのどちらの予想も外れだった。

「今日のこと、さ。誰にも言わないでよね」
「…はいはい」

真っ赤な顔をしてそう言う柚子が、なんだか妙に可愛く見えた。
口止めなんてされなくても、そんな勿体無いことをする筈がないのに。
柚子の弱点は、これからもずっと自分達だけの秘密だ。

__________________

後日談。
この1件の後、柚子のくすぐりは更に卓越したものになったとか。
くすぐられる側の心理を体で学んだからだろうか。
相変わらず手当たり次第に女の子をくすぐり回っている。
――が、しかし。
彼女のライフサイクルに1つだけ、極一部の人間しか知らないイベントが追加されていた。

「ひーめちゃん。今日の放課後……分かってるよね?」
「うげ、もうそんな日?」

そう。週に1回ほど、あの日の委員会メンバーによる下克上が行われているのである。
他の生徒達と同じくすぐられる側の5人が、この日の放課後だけは柚子をくすぐり返せるのだ。

「いいじゃん、代わりに弱点のことは黙っててあげてるんだから」
「ま、そうなんだけどさぁー」

柚子自身にとっては幸いなことに、一度くすぐりの味を知った今でも、耳と同時に責められなければ他の部分は平気である。
琴音たちが言いふらさない限りは、彼女の立場は守られたままだろう。
今も不定期的に続けられている「姫川柚子対策委員会」でも、5人が柚子の弱点を明かすことは無かった。

「それに、姫ちゃんも癖になってきたんじゃない?私達にくすぐられるの」
「なっ…!?」
「くくくっ、図星だったかな?そいじゃ放課後に!」

柚子が拳を振り上げるよりも早くダッシュで逃げていく琴音。

「あーあ……またくすぐられるのかぁ」

そう呟く柚子の顔は、まんざらでもなさそうだった。



                                       くすぐり姫の陥落 おしまい。
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くすぐり姫の陥落 その15

脇腹や足の裏をくすぐられると、楽しくもないのに笑い声を上げてしまう。
笑いすぎてお腹が痛い。息も苦しい。
耳や首筋、それと背中は、くすぐったくてちょっとだけ気持ちが良い。
そんな感覚が混ざり合い、頭が朦朧としてくる。

「はっ、ははっ……ひゃへへへ…」

定期的に休みを挟んでいるとはいえ、疲労によって流石に笑い声が小さくなってくる。
視界は涙で滲み、目の前の琴音の表情もよく認識できない。

(あぁ……私、今まで皆にこんなことしてたんだなぁ…)

酸欠時特有の陶酔感の中、柚子はぼんやりとそんなことを思った。
もちろん毎回全力でのくすぐりを行っていたわけではないが、相手が泣くまでくすぐった経験などいくらでもある。

「こりゃ本当にギリギリだね。皆、あと1分で楽にしてあげよう」
「「了解」」
「「はーい」」

それはもちろん、優しく1分間くすぐってお開きにしようという意味ではない。
今からの1分間で柚子から笑い声を搾り尽くそうという宣言だ。
わざわざ口にせずとも、4人にはそれがしっかりと伝わっていた。

「あ…っ……あははははははっ!!」

今までの中でも、一際大きな笑い声。
柚子自身、まだこんな大声が出せるとは思っていなかった。
既にあらゆる意味で限界だというのに、5人は琴音を強制的に笑わせ続ける。

「ゆるひへ…ゆる、ひ、ひっ、ひひひひひっ!!」
「だーから、許してあげるってば。あと50秒ぐらい頑張ってくれたらね」

くすぐっている5人の方が、柚子よりも目の色が危なかったかもしれない。
絶対的な王者を思うがままにしているという興奮によって、完全に手加減というものを忘れている。

「よーんじゅきゅ…よーんじゅはーち…よーんじゅなーな…」

琴音による、あまりに遅いカウントダウン。
最後の「1分」が終わるのはもうしばらく先だろう。
委員会のメンバーは、欲望のままに柚子の体を弄ぶ。

「にーじゅに…にーじゅいーち…」
「ぁは……っ……ぎゃはっ!ははははははは!!」

笑い声が途絶えようものなら、琴音は脇腹に更に深く指を食い込ませる。
また、鈴原姉妹も両手を使って土踏まずを集中攻撃する。

「ひゃへへへ!…ははっ……じぬぅ……」
「死なない死なない」
「じゅーうごー……じゅーうよーん……」

意識してのことか、琴音のカウントダウンは更に遅くなっていた。
翠と胡桃の筆は柚子の汗でしっとりと湿り、まるで舌のように耳をなぶる。
ゾクゾクと背筋を走る怪しい電流は、くすぐったさと溶けあって柚子を狂わせる。

「姫川、すっごい顔してるよ」
「でも可愛い……他の人達に見せるのは勿体無いですよね」

そして、残り10秒。
4人の遠慮無しのくすぐりを受けながらも、琴音の笑い声は弱々しいものになっている。

「じゅーう……きゅーう……はぁーち……」
「は…っ…!…へへっ……」

喉の奥から声無き笑い声を洩らしつつ、がくがくと体を震わせる柚子。
そんな柚子の顔を眺めながら、4人は悔いが残らないようにと技巧の限りを尽くす。

「なぁーな……ろぉーく……」
「もうおしまいかぁ、名残惜しいな」
「しょうがないですって。これ以上はおかしくなっちゃいますよ」
「ごぉーお……よぉーん……」

できることならずっとくすぐっていたいが、流石にそうもいかない。
ならばあと数秒、自分達にできる最高のくすぐりを行うのみだ。

「さぁーん……にぃーい……いぃーち………ぜえぇ~~~ろっ!」
「ぁ…はっ……っっ~~~!!」

笑い声と一緒に、体力の最後のひとかけらまでも出ていってしまったかのようだ。
くすぐりが終わると同時に、柚子の体は糸の切れた人形のように崩れ落ちた。

くすぐり姫の陥落 その14

「んっ…私は皆様の…ぺ、ペットです…」
「へー、ペットなんだ」
「ぐっ…!」

くすぐったさだけではなく、悔しさと羞恥心による涙が浮かんでくる。
しかし、下手に口答えしてもロクなことにならない。

「…ご主人様、愚かな柚子をっ……ぅふふふっ!?」

唐突に脇腹へのくすぐりが強烈なものになり、台詞を中断させられる。

「くふふっ……琴音ちゃんっ!」
「なに笑ってるの?真面目に言ってよ、最初から」
「ふざけ…!」

思わず口にしかけた暴言を押し留める。
ここで激昂しては琴音の思うつぼだ。
自由な両手で思いっきりくすぐり返してやりたい気持ちを鎮め、柚子は再び謝罪を始める。

「……私は皆様のペットです」

くすぐりは今のところ穏やか。

「ご主人様、愚かなっ……ゆ、柚子を……」
「うふふ、頑張って頑張って」

白々しく応援する胡桃。
彼女の左手は柚子の背中を舐めるように撫で回し、甘いくすぐったさを送りこんでいた。
柚子に恨めしい目を向けられるも、どこ吹く風の涼しい顔である。

「柚子を、お許し……ぃっひひひひっ!!」

再びの阻止。
今度の妨害は鈴原姉妹によるものだ。
土踏まずをガリガリと強くひっかかれ、柚子は抗いようもなく笑い声をあげてしまう。

「やっ……2人とも、ひどっ、くふふふっ…」
「ごめんなさい…」
「だって、言い終えちゃいそうだったもんで」

未だに怯えが完全には消えていない楓と、舌を出して微笑む余裕のある紅葉。
よく似た双子も、思考が丸っきり同じというわけではないようだ。
しかし、どちらもこのイベントを終わらせたくないという気持ちは同じである。

「はい、もう1回始めから」
「も…もう勘弁して下さいよぉ…」

やはり笑顔の翠に促され、柚子の口から泣き言がこぼれる。
長時間の責めにより、肉体的にも精神的にも完全に消耗しきっているようだ。

「無理?」
「無理っ!絶対に無理!」
「うん、じゃあ謝らなくていいや。その代わり……徹底的にこちょばすけど」
「はぅあっ!やっ、め…ぅあっ、あっはははは!!」

脇腹へのくすぐりが一気に強くなった。
疲れきった柚子は腹筋に力を入れて耐えることもできず、琴音の思い通りに笑わされてしまう。

「ちゃんと謝れなくて残念だったねー。言えたらやめてあげてたのに」
「嘘つきぃっ……うぷっ…!ぅんん…っく、あぁあああっ!!」

もう焦らしは十分過ぎる。
あとは本気でくすぐり尽くすだけだ。
4人も指の動きを早め、柚子を全力で笑わせにかかる。

「ひひっ、はっ、はひっ!ぎゃっははははは!!」
「あーあー。姫ちゃん、涎垂れてるよ?みっともないなぁ」
「ちょっと辛そう……でも、しょうがないですよね?先輩がいつもやってることですし」

自分自身も得意としている、抵抗力を奪ってからの執拗なくすぐり。
自らの身で受けてみて、柚子は初めてその辛さを正確に理解した。

「っ……やめ……へへっ…!」

一気に肺の中の空気を吐き尽くしてしまい、早くも笑い声すら絶え絶えだ。
両腕は無意識にじたばたと暴れるが、それにも力が無い。
酸素も不足し、頭がボーッとしてくる。
そうなると、5人はくすぐりを弱めて柚子の呼吸を整えさせ――

「っ……はぁっ…」

そして、ほんの少し回復させては再びくすぐり地獄に叩き込む。

「っあはぁ!!やはっ、はひひひひひっ!ゆ…ゆるじでえぇっ!!」
「だーいじょうぶ、ちゃんと許してあげるわよ」
「そうそう。私達が満足したらだけどね」

胡桃は耳元で囁き、耳の中に吐息を注ぎこむ。
その絶望的な宣告が届いているのかいないのか、柚子はただただ笑い転げる。
両目からは涙が溢れ、頬から滴り落ちてセーラー服に染みを作っていた。

「あひゃひゃひゃ!!!ゆるひへっ…ゆっ、やっははははっ!!」
「かわいそうだけど、もっと姫川の笑い声が聞きたいんだよねぇ」
「先輩、泣いちゃってる……可愛い」

くすぐり姫の陥落 その13

翠は左耳に、胡桃は右耳に、すぼめた口を近づけ――
ふぅーっ……と、息を吹き込んだ。

「ぁ……!?」

指とも筆とは違った、不定形の「息」が耳の奥底へと注ぎ込まれる。
不意打ちかつ初体験の攻撃に、一瞬だが琴音の体から完全に力が抜けた。
それと同時に、琴音の指が脇腹の中でも最もくすぐったいツボを押さえる。

「あ……はっ、あはははははっ!!」

教室に甲高い笑い声が響いた。
5人は目を丸くして柚子の顔を見るが、笑っているのは確かに彼女であった。

「ひひっ!やめ…やめ、ひぇっ、ひゃへへへっ!」

一度笑ってしまっては、もう止めることなどできなかった。
制止の声すら笑い声に変わってしまう。

「やった!マジで姫ちゃん笑ってるよ!?」
「先輩、すっごい声…」
「人に笑わされる気持ちはどうかしら?今まで姫ちゃんが皆にやってきたことよ?」

今まで誰も見たことがない、大口を開けて笑う柚子。
その笑顔はこれ以上無く5人の気持ちを昂ぶらせる。
早くも腹筋が痛くなってくるが、今の柚子にはどうしようもなかった。

「きゃはっ!ギブ、ギブッ……うぷ…はははははっ!!」
「ギブアップとかありませーん」
「もっともっと笑って下さいね」
「貴女達、何気にノリノリね」

鈴原姉妹は靴下を脱がせ、直接足の裏をくすぐり始めた。
攻撃するのは土踏まずだけでない。
暴れる足指を片手で掴み、もう片方の手で指の付けねをくすぐってみたりもする。
汗でふやけてきたからか、皮膚が若干柔らかくなってきたように思えた。

「し、しにゅ……っ…!!」
「こんなんで死んでたら、私達は何回死んでるのよ」
「すっごい声。ほら、ふぅ~っ」

耳には吐息が吹きかけ続けられ、更にくすぐりへの抵抗力を下げられる。
身震いする度に感覚が鋭敏になり、もはや首筋や背中への刺激にすら声を洩らしてしまう。

「やっ、だめだめっ…ひゃはははは!!あひっ、ひひひっ…」

そして、一番辛いのはやはり脇腹へのくすぐりだ。
因果応報とでも言うべきか、琴音の責めているポイントも柚子によって体に教え込まれた場所である。
肋骨と腰骨の間にある、どんなに必死に耐えようとしても我慢がきかない急所だ。

「姫ちゃん、くすぐったい?」
「くすぐっひゃいっ!くひゅぐったい、から、やめへぇえっ!!」

柚子はあっさりと認める。
このくすぐりから解放される為なら何でもするといった様相だ。

「だったら皆に言うことがあるんじゃないの?」
「ははっ……何っ!?んぁっ……にゃにをっ…!?」
「今までの事を謝った方がいいんじゃないかなぁー?」

それぐらい自分で気づいてよ、と琴音は指をツボに深く食い込ませる。

「ぎゃはっ!わっ、分かっ…あはははは!謝る!あやまりゅからっ!」
「『謝ります』でしょ?」
「あぁあああっ!やはは……あや…まりっ……謝りますぅっ!!」
「よろしい」

脇腹へのくすぐりが少しだけ弱められた。
それを察して、他のメンバーも手の動きを穏やかなものにする。

「じゃあ、何て謝ってもらえばいいと思う?紅葉ちゃん」
「私っ!?」
「成績優秀な紅葉ちゃんの意見が聞きたいなぁ」
「えぇっと……『今まで皆さんの事をくすぐってきてごめんなさい』とか」
「はい駄目ー」

即座に駄目出しする琴音。

「さて、胡桃先輩だったら?」
「そうねぇ。『私は皆様のペットです。ご主人様、愚かな柚子をどうかお許し下さいませ』とかどうかしら」
「さすが宮間。それでいきましょう」
「…先輩ってそんなキャラでしたっけ」

鈴原姉妹が若干引いている。
宮間胡桃、優しさには定評があるが、ノリの良さにも定評のある少女である。

「そんなわけで姫ちゃん、謝罪の言葉をどうぞ」
「っ……」
「言わないの?」
「ふぐっ!?あはっ、い、言うっ!!」

躊躇していた柚子だが、脇腹を一揉みされるとあっさり観念した。
それ以上急かすまでもなく謝罪の言葉を口にし始める。

くすぐり姫の陥落 その12

「くく……あっ、やめっ……っ」

柚子の表情に、明らかな焦りの色が見える。
これまでとは違い、あからさまに笑いを堪えている顔だ。

(やばいやばい!何これ…!?)

我慢していても勝手に腹筋がびくびくと動いてしまう。
琴音はまだまだ本気ではなさそうだが、気を抜けば今すぐにでも笑い声を上げてしまいそうだ。

「そろそろ限界かしら?ほっぺが緩んできてるわよ」
「ひくっ…全……然…ぅんんん!!」

耳などへの責めが柚子の耐久力を削り取り、脇腹へのくすぐりがその隙を突いて柚子を笑わせにかかっていた。
強引に笑いを押し殺すと息がつまり、お腹が痛い。
琴音は薄いセーラー服越しに伝わってくる脇腹の感触を楽しみつつ、満面の笑みで柚子を見上げる。

「ま~だっかな~、姫ちゃんが初めてくすぐりで笑うとこ。皆でちゃんと見ててあげるからね」
「…ぁは……わ、笑わ、ないぃっ……!」

攻めに緩急をつけ、琴音は歯をくいしばって耐える柚子を弄ぶ。
肌の弾力を確認するかのように指先を深く食い込ませたり、そのまま指を小刻みに震わせたりもする。
柚子はその1つ1つの変化に敏感に反応し、5人を大いに楽しませた。

「琴音ちゃん、そろそろ本気でやっちゃっていいんじゃない?」
「ですね。もう無理みたいだし、ひと思いにやっちゃいますか」
「だ、誰が……くぷぷっ……ぅふ…うふふふっ…」

もはや頬は緩みきっており、口は笑みの形になっている。
笑い声をあげるのも時間の問題のように見えるが、琴音はここで最後のダメ押しを宣言した。

「楓ちゃん、紅葉ちゃん。とどめは皆で決めましょ?」
「「ふぇっ?」」
「何ぼーっとしてるの。やらないの?」

鈴原姉妹はすっかり柚子の乱れる姿に見蕩れていた。
揃って頬を染め、楓に至っては大きく息を荒げている。

「やりますとも!」
「えっと、私達はどこをくすぐれば…?」
「そりゃあこの引き締まったおみ足でしょうよ」

柚子の太股をぱしっと叩き、「ちょうど脚は2本あるしね」とウインクする琴音。

「なるほど…失礼しまーす」
「しまーす」
「ひ、ひひっ…ゃ…めっ……」

弱々しい制止の声にも大して遠慮した様子を見せず、2人は柚子の足首を掴む。
今の柚子は絶対的な力を持った姫ではなく、くすぐったさに翻弄されるただの少女に過ぎない。
上履きを脱がされると、白い靴下に包まれた足が露になった。

「「こちょこちょこちょ…」」
「ふうぅっ!!あ……はひっ……っふぐうぅぅ!!」
「おっとっと。皆、姫ちゃん落とさないように気をつけてね」

左右の足の裏をくすぐられると、柚子は椅子から跳びあがった。
背もたれの無い丸椅子に座っているので、胡桃が背中側から手で押さえてやらなければ転がり落ちていたかもしれない。
鈴原姉妹も慌てて足首を小脇に抱え、柚子の動きを制限する。

「そんなに暴れるとパンツ見えちゃうよ?まぁ、私にはさっきから見えてるんだけど」
「オレンジの縞々……」
「へぇ、意外と可愛いの穿いてるんだ」

足の裏への刺激に反応するたびに下着が覗いてしまうが、そんな事を気にしている余裕など無い、
両足の土踏まずを爪で攻撃されると、たまらないくすぐったさが柚子を苛む。
柚子の足指は、彼女の心情を代弁するかのように激しく悶えていた。

「うぅっ………ぐっ、くくく……」
「先輩、くすぐったそう…早く笑わないかなぁ」
「そんなに我慢したら体に良くないって。早く楽になっちゃいなよ」

左右の耳を蹂躙する2本の筆。
首筋をこしょこしょと這い回る翠の手。
背中を優しく撫でまわす胡桃の手。
脇腹をむにむにと揉みしだく琴音の手。
両足の裏をカリカリとひっかく鈴原姉妹の手。
それらが相乗的に効果を高めあい、柚子の心を折りにかかる。

「ふぐぐ……あうっ、ぐふふっ……!」

柚子の顔は真っ赤に染まり、涙どころか涎すら垂らしていた。
誰の目にも、あと一押しで忍耐の限界を超えてしまうように見える。
3年生の2人はそっと目配せすると、その「一押し」の為に柚子の耳から筆を引き抜いた。
プロフィール

きびなご 

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