FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ようやく完結

※ここまでのお話は「続・プロレスごっこ」カテゴリからどうぞ。


「勝者は篠崎千絵選手!皆さん、2人に大きな拍手を!!」

もう何度目だろうか、体育館を揺るがすような拍手と歓声が巻き起こった。
千絵はくすぐりをやめ、クールダウンさせるように加奈のお腹を優しく撫でる。

「はい、お疲れさま。今回は私の勝ちだね」
「はっ……ぁ…」

既にくすぐりは終わっているというのに、加奈の腹筋はピクピクと震えている。
しかし千絵にとっては意外なことに、その瞳は強い力を宿していた。

「つ……次は…」
「えっ?」
「次は…私が勝つから、ねっ…!」
「…!」

思わず目を丸くする千絵。
たっぷりと自分のくすぐりを味わった直後だというのに、もう次回への闘志を燃やしている。

「うん、楽しみにしてる」

そう言って千絵は右手を差し出す。
加奈はそれをしっかりと掴むと、若干ふらつきながらもなんとか立ち上がった。
と、そこに意地悪そうな笑みを浮かべた早苗が走り寄ってくる。

「加奈ちゃーん、凄い笑いっぷりだったね?」
「ぐっ……あ、あれは千絵ちゃんが凄かったんだもん!
 早苗ちゃんだって千絵ちゃんにくすぐられたらもう大爆笑だし!」
「あ、試してみる?」

千絵がスッと手を前に出すと、大げさなぐらいに早苗が後ろに下がる。
その反応を見た2人は、顔を見合わせてくすっと笑った。

「……今日は遠慮しとく」
「ほらー。早苗ちゃんだってくすぐり苦手なんじゃん」
「いや、別に特別弱いってわけじゃないけど、でもほら今日は審判やってるし…」

ごにょごにょと言い訳する早苗に、観客達から催促の声がかかる。

「早苗ちゃん、早く次の試合始めてよ~」
「次は私とゆーちゃんだからね!」
「あ、はーい。すぐ始めるー!」

自分と千絵の試合になんてことになったら、くすぐりにもの凄く弱いことが明らかになってしまう。
早苗はマイクを握りなおし、妙な展開になる前にとさっさと進行役に戻る。

「はい、それでは本日の第3試合いきますよー。ルールはどうする?」
「さっきのと一緒!」
「当然、くすぐりもアリでね」

加奈・千絵と入れ違いにマットの上に上がった2人は、既に両手を前に出し、指をわきわきと動かしている。
どちらも相手をくすぐる気満々のようだ。

「なんていうか、くすぐるのが目的になってない?いいけど……それでは、試合開始!」

________
________________
______________________

この日から、6年3組の女子の間にちょっとしたくすぐりブームが訪れた。
休み時間に伸びをしている子の脇腹をつついたり、体育の授業前の着替え中に背中をなぞってみたり。
もちろんプロレスごっこの時は言うまでもない。
今日もまた、放課後の体育館に少女達の笑い声が響き渡る。


                                       続・プロレスごっこ  おしまい。
スポンサーサイト

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

きびなご 

Author:きびなご 
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。