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くすぐり姫の狩猟 その2

「ここなら誰も来ませんよ」

階段を昇りきり、最上段に腰掛ける柚子。
開いた両足の間をぽんぽんと叩いて促すと、美紗はおずおずとそこに収まった。
柚子の鼻先にかかる、ふわふわとした黒髪。
そこからは何ともいえない良い香りがした。
思わず後ろから肩を抱くと、美紗の緊張が伝わってくる。

「先輩、安心して下さいって。何もやましい事をするわけじゃないんですから」
「あ、うんうん。そうよね」

そう応えつつも体は強張ったままだ。
考えてみれば、美紗も柚子によって爆笑させられている琴音か誰かの姿を見たことがあったかもしれない。
だとしたら緊張していて当然だ。
これはまず、じっくりと身体と心の緊張を解すべきだろう。

「大丈夫ですよ。先輩が嫌がるような触り方はしません」

そっと手のひらを脇腹にあてると、ピクッと美紗の身体が跳ねた。
そこからいきなり本気でくすぐるようなことはせず、柚子は優しくそこを撫でる。
冬服のブレザーの上からなので、そこから美紗に伝わる刺激はごく微々たるものだ。
美紗をリラックスさせるために、柚子は脇腹、お腹、背中……とゆっくり撫でていく。

「くすぐったいですか?」
「ううん。これは…別に平気」

例えば相手が「元気のいい後輩」だとしたら、廊下で挨拶がてら大笑いさせても問題無い(と、柚子は思っている)。
しかし、こんな今時珍しい「ほんわかした先輩」相手にそんなことをしたら、まるでいじめのようだ。
こういうタイプは丁寧に丁寧に料理していくのが柚子の流儀である。

「それじゃ、こういうのは?」
「んっ……ちょっ、ちょっとくすぐったいかな…」

人差し指でちょんちょんと脇腹をつつくと、美紗は半笑いでくすぐったさを訴えてくる。
その反応から、柚子は美紗の性質をある程度見抜いた。

「(これは……凄くやりやすいタイプだ)」

もちろん相手を選ばずくすぐりに酔わせる自信はあるが、それとは別の話。
さすがに割合は少ないものの、上手く開発すれば自らくすぐりを求めるようになるタイプがいるのだ。
口に出してくすぐりを希望しなくとも、仕返しを期待して柚子にちょっかいを出してくるような少女もいる。

「こことかどうですか?まだ我慢できます?」
「あはっ……う、うーん、ギリギリ…?」

笑いをこらえながらも、抵抗もせずに律義に答える美紗。
また、彼女はくすぐってくる手から逃げようとしていない。
許可を与えてくすぐらせているとはいえ、普通ならもう少し反射的に抵抗してしまうものだ。
柚子はこれらの細かい情報を統合し、美紗はくすぐりを受け入れやすい人間だと判断した。
その申し分ない容姿や押しに弱い性格も含めて考えると……これは滅多にいない極上の素材かもしれない。

「それじゃ、ちょっと失礼しますね」
「え、ちょっと、姫ちゃん!?」

反論する暇を与えず、ブレザーのボタンを外していく。
そしてその中に手を入れ、今度はYシャツの上から脇腹に触れる。
柚子は、こうやって上着に手を突っ込んだ時に感じる暖かさも好きだった。

「これはちょっと、恥ずかしいんだけどー…」
「別に問題無いですって、女の子同士なんですから」
「で、でも……っ…ふふっ…」
「大丈夫ですから。ね?」
「……うん」

ちょっと強く言うだけで反抗しなくなってしまうのが可愛い。
無茶なこともしてしまいたくなるが、柚子はその気持ちをぐっと抑え込む。
今の目的は美紗を屈服させることではない。
彼女にくすぐりを受け入れてもらうことだ。
下手な攻め方をしてくすぐりにマイナスイメージを持たれてしまっては元も子もない。
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