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いもうとめざまし 前編

「ん……」

目が覚めた。
枕元の時計を確認すると、半ば予想通りの6時59分。
それは何故かって言うと……7時になったら、妹の茉莉が私を起こしにくるから。

――カチャリ。

物思いにふける間も無く、静かにドアが開いた。
目を閉じていても、そろりそろりと部屋に入ってくる茉莉の姿がイメージできる。

「おねーちゃん、おはよ」

返事はしない。
返事なんてしてしまったら、朝の楽しみがなくなってしまう。

「朝だよー……起きないとダメだよー…」

小声で私に呼びかけながら、茉莉はベッドに這い上がってくる。
小5の妹の体重は羨ましくなるぐらいに軽いけど、それでもベットが少し軋んだ。
茉莉はゆっくり私の布団を剥ぐと、腰のあたりに跨る。

「起きないんだ。それじゃ、今日もこちょこちょの刑だね」

その言葉にぞくぞくしてしまうけど、そんな事は表情に出さずに私は寝たフリを続ける。
パジャマをめくり上げられても知らんぷり。
そう。
何を隠そう、私は妹にくすぐられるのが好きなダメ姉なのだ。
……いや隠してるけど。誰にも、もちろん茉莉にだって言えないけど。

「……っ…!」

茉莉の指が剥き出しの脇腹に触れてきた。
身構えていたけど、それでもちょっと体が跳ねてしまう。
ってか、目を閉じてるからタイミングも分からないしね。

「こちょこちょこちょー」
「……っ、ふっ……っ…」

起きぬけのまどろみと優しいくすぐったさが合わさって、なんとも言えない多福感に包まれる。
これは癖になっても仕方ないでしょ……
肌に触れるか触れないかのタッチで、10本の指が脇腹を這い回る。
ぞわぞわして落ち着かない感覚なんだけど、不思議と抗いたくなくて、むしろ体の力を抜いて受け入れたくなっちゃう。

「ほーら。起きないとどんどんくすぐったくなっちゃうよ」
「…んー……んんっ…」

弁解にも何にもならないけど、私だってずっと前からこんな趣味をもっているわけじゃない。
発端はつい4日前。
いつもいつも寝起きの悪い私を起こすために、茉莉が「くすぐり」という方法を試したのだ。
効果は抜群で、私は大笑いしながら飛び起きた。
と、そこまでならよくありそうな微笑ましい話なんだけど……
翌朝に再びくすぐり起こされている途中に、私の胸に「くすぐられるのって意外と悪くないかも?」という気持ちが芽生えてしまった。
芽生えてしまえばあとは育つだけ。
3日目には「くすぐられるのってむしろ楽しいような…」と。
4日目には「くすぐられるのって楽しい!」と、私はすっかりくすぐりの虜になってしまったのだ。
その期待感からか、5日目である今日は茉莉が起こしにくる直前に目覚めてしまう始末。
今まで茉莉が10分以内に私を起こせた日なんて無かったのに。

「ほーら、起きなってば!」
「…う、あっ、あはははっ!起きた、起きたって、おはよう茉莉っ!!」

脇腹に指が食い込むと、我慢のしようもなく笑い声を上げてしまう。
これじゃあ流石に寝たフリは続けられない。

「起きた?やっぱこの方法が一番いいみたいだね」

そう言う茉莉の表情は楽しげで、ちょっとサディスティックに見える。
気のせいかもしれないけど。

「うぅんっ……ストップ、もういいって。もう起きてるでしょってば」
「まだしっかり目ぇ覚めてないでしょ?遠慮しないでー」
「うひっ!?馬鹿、やめやめっ、やめへへっ!!」

制止の声を上げつつも、私は内心ほくそ笑んでいた。
まぁ顔も半笑いだけど。
やめてと言ってやめられてしまっては私の方が困る。

「ほーら、お目覚めしましょうねー」
「やあぁめっ!!っ、ふふっ、ぅふふふふっ!」

ぎゅっと閉じた私の腋に無理矢理指先をねじこみ、茉莉は腕のつけ根をグリグリと刺激してくる。
そのくすぐったさはあまり強烈で、眠気なんて一瞬で吹き飛んでしまう。

「く、くひゅぐったいってぇへへへっ!!」
「ねぼすけの茉奈美ちゃん、馬鹿みたいな笑い声ですよ~?」

思いっきり馬鹿にした口調は若干むかつくけど、それに怒っている程の余裕はない。
なにしろ、私はくすぐったさを楽しみながらも茉莉を跳ね飛ばさないように注意しなくてはいけないのだから。
先ほども言ったように、茉莉は非常に軽い。
お腹に跨っているだけのこの子なんて、私が本気で暴れたら一瞬で転がっていってしまう。
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